本文へスキップ

 

総会報告information

総会報告


今年の総会を次のとおり開催しました。

 6月9日(日)大阪市城東区民ホールで、2013年知る権利ネットワーク関西総会を開催しました。第1部総会では2012年度活動報告として、福井県に対する原発情報の異議申立の取り組みや大阪府に対する情報公開制度の運用について、情報公開推進会議が解散されたことや会議等開催ルール無視の事例が頻発していることに関する取り組みの報告、ホームページをリニューアルしたことなどを報告しました。会計決算報告、会計監査報告については、財政基盤が年年脆弱化しており、強化策を講じる必要があります。次に、2013年度役員を確認しました。続いて活動計画として①交流会の参加拡大に向け開催曜日を奇数月は土曜日午前に変更すること②大阪府に対して情報公開推進会議の再設置の要望書を提出すること③マイナンバー制度の監視と危険性の啓発を行うこと④秘密保全法反対の取り組みを行うことなどを確認しました。最後に予算案を提案し、全ての議案を拍手で確認しました。

第2部総会の記念講演は、「マイナンバー制度の危険性」と題して、坂本 団弁護士にお話を伺い、質疑を行いました。講演の内容は、下記の通りです。

続いて各地報告として、次の4名の方から報告をいただきました。

²  奈良情報公開を進める会メンバーから、奈良市議会議員政務調査費について、公開請求を行い、人件費の支出先の氏名・住所を個人情報を理由に非公開としたのは違法であるという裁判を行っている、奈良市の制度は非常におかしいという報告がありました。

²  堺市議会議員の政務調査費返還請求裁判勝訴について、裁判原告から当該議員にようやく、裁判で争った2008年度192万円に加えて、2009年度以降、2011年度分まで自主返還させることができたと報告がありました。

²  守口・情報公開を学ぶ会メンバーからは、2011年10月に環境省が実施した東日本大震災により生じた災害廃棄物の受入状況調査に係る起案及び結果文書一切の一部不開示決定を取り消し、全面公開を求める裁判について報告がありました。

²  教科書問題に取り組むメンバーからは、高槻市教育委員会が教科用図書選定委員会の配布資料の公開請求について非公開としたことを受けて行った異議申し立てについて、高槻市情報公開審査会は、答申案の非公開は妥当としたが、それ以外の調査報告書、学校意見書、開催日程など答申案以外の配布資料については公開すべきであると審査会として答申した、資料などを公開するよう答申したことは評価できると報告しました。

   最後に、マイナンバー制度の廃止を求めるアピールを一部修正し採択しました。

 坂本 団弁護士 「マイナンバー制度の危険性」 記念講演の内容

 マイナンバーは公募による愛称。繰り返された番号制の導入。

マイナンバーという名称は、もともと民主党政権の時に「税・社会保障共通番号制度」ということでスタートしたもので、聞こえが悪いということで愛称を公募してつけられた名前だ。これまで日本ではグリーンカード、納税者番号、住基ネット、社会保障カードなど導入されようとしてきた。実際に導入された住基ネットも、住基カードが広まらず、プライバシー侵害を問う反対の声や裁判も起こされ、失敗に終わった。社会保障カードは厚労省が導入を目指したもので、医療・介護・年金の3分野について名寄せ・データマッチングすることを目的としていた。住基ネットより重大なプライバシー侵害をもたらす内容で、「社会保障個人会計」を目的とし、財産相続時の清算制度や年度間の付け替えや制度間の付け替えに利用しようとしていた。
 これを使い、国、企業の社会保障負担の軽減を狙い、徹底した自己責任社会をもたらす内容であった。セキュリティーも住基ネット以上に問題であり、壮大な税金の無駄遣いでもあった。これは民主党政権誕生で一旦お蔵入りしたが、共通番号制度に形を変えて再登場することになった。

  社会保障・税番号はデータ・マッチングが目的

   住基ネットと比較して今度の社会保障・税番号の特徴は

   住基ネットは6情報だけだが、様々な個人情報を管理利用する。

   住民票コードはいつでも変更可能だが、「番号」の変更は原則不可。

   民間利用は当然(将来的にはさらに拡大)

   住民票コードの民間利用は禁止だったが、今回は見える番号が広く流通

   住基ネットは機関間で住民票コードを利用したデータマッチングは不可だったが、今回は複数の機関間のデータマッチングが目的

   住基ネットではセキュリテイは、市町村・都道府県、指定情報処理機関、国の機関等だけであったが、今回はセキュリティを確保すべき範囲が広い

プライバシーへの脅威は過去最悪

 「番号」「情報連携基盤」により民間も含め様々な個人情報のデータマッチングが行われる結果、国家による情報の一元管理が行われ、本人が意図しない形の個人像が形成され、一旦情報が漏えいすると芋づる式に外部に漏れるおそれがある。また、「番号」による本人確認は、なりすまし犯罪の横行がもたらされる。
 これに対して第三者機関による監視が制度化されたが、任務は「特定個人情報の取扱いの確保」であって「プライバシー保護」ではない。「刑事事件の捜査」「租税に関する調査」「その他政令で定める公益上の必要があるとき」には権限が及ばず、また、どの程度の人員、予算が確保されるか白紙であり、国会審議では三〇人程度とされ、実効性は期待できない。

自己情報へのアクセス記録の確認は法律で採用されず

 自己情報へのアクセス記録の確認は、マイポータルでの確認が原則であり、PC利用しないものには無意味であり、ICカードの保有が強制される結果になる。また確認できるのは「不開示情報に該当しないことが事前に確認できマイポータルで開示しても支障のない情報」のみであり一部である。

公平な税制は実現できない

 何のための税・社会保障番号?ということで公平な税制の実現や社会保障の充実が挙げられている。しかし、番号制度では、政府もあらかじめ「大綱」で「全ての取引や所得を把握し、不正申告や不正受給をなくすことは困難」「事業所得や海外資産・取引情報の把握には困難」と限界があることを認めている。
 番号ではなく、証券優遇税制の特例措置を直ちにやめることや、最高税率をもとに戻すことなどが必要なのだ。
 社会保障の充実にしても、番号によりデータを把握したからと言って充実するのではなく、生活保護の給付水準とか申請を受け付けないといった水際作戦などもっと大きな問題がある。また、「大綱」があげている所得比例年金、給付付き税額控除、総合合算制度など具体的な制度は棚上げされ全く進んでいない。
 逆に、社会保障個人会計により、社会保障の負担と給付を個人レベルで明らかにできる。負担が少ないとそれに見合う給付ということであれば、社会保障の理念と相いれなくなり、社会保障の自己責任化を招き、国の責任放棄となる。

災害時にも「番号」は悪乗り

 また、震災後新たに、災害時の本人確認にも「番号」が使われるということになったが、氏名、住所、生年月日、性別の4情報でなぜリストが作れないのか、また「番号」を忘れるとリストに入れてもらえないのか、なんでも「番号」に結びつけるのは誤りだ。

マイナンバー制度は百害あって一利なし

 また、マイナンバー制度は、構築だけで数千億円、運用経費も多額の費用がかかり、費用対効果も示されていない。国民にとって「百害あって一利なし」だ。住基ネットの時も反対運動が起こったのは法律ができた後、施行されるまでの間であった。諦めずに反対の声を上げることが大切だ。(文責 事務局)



マイナンバー制度の廃止を求めるアピールを次の通り採択しました。

マイナンバー制度の廃止を求めています。危険な制度であり、
             継続的な監視を呼びかけます

 524日共通番号制度法(マイナンバー制度)が国会で成立した。国会においても十分な審議が行われず、問題点は積み残したままの見切り発車であることを厳しく批判する。この制度の危険性を指摘し、引き続き監視を強化することで制度廃止を行わせるため、以下呼びかけます。

データマッチングにより90以上の個人情報を管理

この制度は、国民一人ひとりに一生変わらない番号を割り振って、現在各省庁がばらばらに管理している住基ネット、税金、年金、介護などに関するデータベースをひも付けし一元的に管理する。その結果、住所、氏名、性別、生年月日、所得、年金、税金、医療、福祉などを網羅した個人のデータベースができあがる。目的として、効率的情報管理、事務簡素化による国民の負担軽減、給付と負担の適正化などが挙げられている。所得や不動産など90項目以上の個人情報を行政が把握して、納税や年金・健康保険の保険料納付・受け取りをはじめ、生活保護や児童手当などさまざまな給付手続きに番号を利用する。

政府のスケジュールでは、2015年10月を目途に市町村が、国民一人ひとりに11ケタ以上の個人番号を紙で本人に通知する。16年1月から、番号情報が入ったICチップを埋め込んだ顔写真付き個人番号カードを希望者に市町村の窓口で交付する。また、17年1月からは情報提供ネットワークシステム「マイ・ポータル」の運用を開始し、インターネット上の自分専用の「マイ・ポータル」というページに接続すれば、年金や介護保険料の納付状況、健康保険の情報をいつでも見られる、としている。 

情報流出、なりすまし、マイナンバー制度は危険だ

しかし、日本弁護士連合会や市民団体から、国が個人情報を一元管理すること自体がプライバシー権の侵害であり、自己情報コントロール権に反している。情報の一元管理により個人情報の漏えいの規模が大きくなり、しかも、今回の制度では個人番号を官民またいで拡充することが想定されており、漏えい、なりすましが発生するなど危険性が増しているという根本的な批判がなされてきた。
 朝日新聞(5月25日)によると既に制度が導入されている米国では、他人の番号を不正に入手し、にせのクレジットカードを作るなどしてお金をだましとる事件が相次ぐ。米司法省の報告では、被害は2006~08年の3年間で1170万件、被害額は
12年には5兆円に達したと報じられている。
 市民団体「反住基ネット連絡会」が今年4月に緊急発売したドキュメンタリーDVD「韓国の住民登録番号制度」によると韓国では1962年から住民登録番号制度が導入され、すべての国民に番号を付け、指紋を採取し、登録証を発行している。導入から50年、日常生活の広範な分野で使用され、定着した番号制度に異議を唱える人はほとんどいなかった。10年前に反対すると「北のスパイ」とレッテルを張られた。ところが2008年からの4年間で1億2000万人分の個人情報が流出、なりすまし事件などが頻発するようになり、ようやく韓国世論も動き出した、と現地取材レポートを行っている。
 政府は罰則や第3者機関による監視でセキュリティ対策を行うとしているが、データが流出した場合、補償をどうするのかといった基本的なことには回答していない。原発安全神話ではないが、安全だと強弁しているだけだ。一度流出すれば取り返しがきかないのに、である。

 国民に役立つ制度ではない

もともとマイナンバー制度は消費増税により負担の大きい低所得者向けに給付付き税額控除を行う、そのために所得把握を行う必要があるとか、福祉給付、医療保険などを総合的に捉えて税と社会保障の負担と給付を適正化する、ワンストップサービスを行うと言うのが理由であった。ところが、給付付き税額控除は、今の安倍政権では立ち消えになった。
 マイナンバー制度だけが残り、各省庁は個人情報を把握し、税金逃れや社会保障の不正受給などを防ぐのに役立つとしている。しかし、データマッチングのより構築される社会保障個人会計によって社会保障の削減が行われ、税金では現在の源泉徴収からさらに厳しく取り立てることになる。国民に役にたつ制度とは全く言えない。 

IT版無駄な公共事業になる可能性が高い

 住民基本台帳ネットワーク(住基カード)が、膨大な費用の無駄や個人情報の流出を生み出していることは、既に明らかになっているが、今回のマイナンバー制度も初期投資2700億、ランニングコスト年間200億~300億と報じられており、費用対効果は国会審議でも明らかにされていない。日経新聞(5月10日)によると関連市場はシステム構築、ITカード作成など3兆円と推計されており、IT各社は対応を急いでいるそうだ。IT版無駄な公共事業になる可能性が高い。 

今後の監視活動により制度の廃止を

 個人番号の本人通知やICカードの利用は2~3年後になっており、関連する政省令はこれから策定される。政省令の問題点などを指摘することがまず必要だ。法律施行後3年、18年10月を目途に医療分野や民間での利用の拡充について検討を加えることが、法案附則に明記されており、米国や韓国のように個人番号の利用範囲を官民またいで拡充することがもくろまれている。拡充を阻止していくことが大きな課題だ。住基ネットのように情報の流出などが続発することも必至であるし、今後監視活動を強化していくことにより、制度の廃止を目指して運動に取り組んでいこう。
                   
                知る権利ネットワーク関西
2013年総会参加者一同

知る権利ネットワーク関西

〒567-0007
大阪府茨木市南安威2-2-5-109江菅洋一気付

TEL 090-5045-5133